海上自衛官の給料は本当にいいの?
「海上自衛官って給料がいいって聞くけど、本当?」「手当が多いっていうけど、どんな内容?」
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
自衛官の給与は、単なる“月給”だけでなく、乗組手当や航海手当などの特殊な手当が多く含まれています。特に艦艇勤務者は収入が高く、福利厚生や退職金も手厚いのが特徴です。
2025年度からは初任給の引き上げや若手向けの新手当も導入され、海上自衛官の給与体系はさらに魅力的になりました。
本記事では、そんな海上自衛官の給料や手当の全体像を「初心者にもわかりやすく」「データを交えて」徹底的に解説していきます。
海上自衛官は「安定・高待遇・昇給あり」の職業
まず結論からお伝えします。
海上自衛官の給与は基本給に加え豊富な手当と賞与(ボーナス)によって構成されており、勤務内容や階級によっては年収700万円以上も可能です。
特に2025年の給与改定により、若手の初任給アップ・退職時の支援金増額など、大きな処遇改善が行われています。安定性だけでなく、民間企業以上に“守られる働き方”が実現されているのです。
給与の内訳と手当の種類をわかりやすく解説
基本給(階級別)
海上自衛官の基本給は、階級によって大きく変わります。以下は2025年改定後の月給目安です。
階級 | 月給(目安) |
---|---|
自衛官候補生(初任給) | 179,000円 |
2等海士(高卒) | 224,600円 |
海士長~3等海曹 | 約16万~31万円 |
曹クラス(~海曹長) | 約18万~43万円 |
尉官(3等~1等海尉) | 約23万~45万円 |
佐官(3等~1等海佐) | 約31万~55万円 |
※月給の他に各種手当が加算されます。
主な手当の内容
手当名 | 支給内容 |
---|---|
乗組手当 | 護衛艦勤務:俸給月額の43%、潜水艦:55.5% |
航海手当 | 航海任務中に基本給の33〜45%を加算 |
地域手当 | 勤務地に応じて俸給の3%~支給 |
住居手当 | 賃貸住宅の家賃の約半額(上限あり) |
扶養手当 | 子ども1人あたり10,500円(2025年度) |
寒冷地手当 | 寒冷地勤務時に7,360円~加算 |
駐屯地手当(新設) | 新規採用者に6年間で120万円(年20万円) |
任用一時金 | 採用後3カ月経過時に約34万円 |
特例退職手当 | 1任期(3年)満了で約118万円支給 |
これらの手当によって、実際の月収・年収は基本給の1.2~1.5倍になることもあります。
ボーナス・退職金・福利厚生も充実
- 賞与(ボーナス):年2回(夏・冬)。2025年は年間4.6ヶ月分に増加。
- 退職手当:任期満了時に一括で支給。1任期で約118万円。
- 現物給与:食事・制服・宿舎が支給され、生活費が抑えられる。
- 医療費や年金制度:公務員として安心の保障。
【具体例】リアルな年収モデルでわかる給与の実態
階級別 年収の目安(モデルケース)
階級 | 平均年収 | 備考 |
---|---|---|
2等海士 | 約300万円 | 初任務レベル |
海士長 | 約340万円 | 通常任務・手当含む |
3等海曹 | 約370万円 | 乗組手当あり |
1等海曹 | 約450万円 | 幹部手前のベテラン |
3等海尉 | 約600万円 | 幹部登用組 |
1等海佐 | 約1,000万円 | 管理職クラス |
1任期(3年間)での総収入例
- 給与+手当+退職金など含めて
→ 約1,708万円(平均569万円/年)
特に艦艇勤務者は、乗組手当・航海手当だけで年間100万円以上の上乗せとなることも珍しくありません。
【2025年の給与改定ポイント】
2025年度は、過去に例のないほどの待遇改善が実施されました。特に注目すべきポイントは以下の通りです。
改定項目 | 内容 |
---|---|
初任給の引き上げ | 2等海士:198,800円 → 224,600円(約13%UP) |
駐屯地手当の創設 | 新規採用者に年20万円×6年=120万円 |
扶養手当の見直し | 子ども分が10,500円→13,000円(2026年度) |
賞与引き上げ | 年4.5ヶ月分 → 4.6ヶ月分 |
特殊手当の新設・拡充 | 災害派遣・サイバー職種など33項目に対応 |
在宅勤務手当の導入 | 多様な働き方に対応する新制度 |
この改定は、若手の離職防止と自衛隊の人材確保を目的としており、「入りやすく・続けやすい職場づくり」が強化されています。
【まとめ】安定した収入と手厚い手当で「守る仕事」は選ばれている
海上自衛官は、「収入の安定」だけでなく「豊富な手当」「退職後の支援」「福利厚生の充実」が揃った公務員職です。
特に2025年度の給与改定では、若年層に対する処遇改善が大きなトピックであり、初任給の引き上げや新設手当によって、これから自衛官を目指す方にとって有利な制度が整いました。
「国を守る」仕事は、給与面でもしっかりと守られている。
そんな信頼できるキャリアが、海上自衛官という選択です。