「結婚したら、毎日一緒に過ごせると思っていた」──そんな思いとは裏腹に、海上自衛官の妻としての日常は、長期間会えない日々や頻繁な引っ越しなど、普通の家庭とは少し違う現実があります。
でもその一方で、だからこそ深まる絆があり、誇れる夫の姿があり、自分自身を成長させる時間があります。
本記事では、実際に海上自衛官の夫を持つ筆者が、リアルな体験をもとに「喜び・苦労・乗り越え方」まで、初心者にもわかりやすく丁寧にご紹介します!
「自衛官の妻ってどんな生活?」
「覚悟って必要?」
と気になっている方にとって、きっとヒントになるはずです。


第1章:艦艇乗りの夫を支える日常と心得
1-1. 家族あるある図鑑【ポジティブ編】
一緒の時間がとても貴重に思える
海上自衛官と結婚すると、一緒に過ごせる時間が限られるからこそ、一緒の時間の価値がとても高く感じられます。
艦艇勤務では数週間から数ヶ月の出港があり、物理的に会えない時間がどうしても長くなります。
そのため、帰ってきたときの時間が、日常の何倍も特別に感じられるのです。
例えば、夫が数ヶ月の任務から帰ってきた日の夕食は、特別なごちそうを準備します。
食卓を囲んで「おかえり」と「ただいま」を交わせることが、何よりの幸せだと実感します。
子どもたちも「今日はお父さんがいる!」と大喜び。
普通の家庭にある日常が、私たちにとっては非日常であり、かけがえのない瞬間です。
会えない時間があるからこそ、一緒の時間の価値がぐんと上がります。
だから私たちは「今この瞬間」をとても大切にしています。
自分の時間が持てるという利点
夫が不在の期間、自分自身に集中できる時間ができるのも大きなメリットです!
夫が艦艇勤務で長期間不在になることで、家の中は一人の時間が増えます。
この時間を「寂しい」と感じるか「自分磨きのチャンス」と考えるかで、妻としての充実度は大きく変わります。
私はその時間を使って、オンライン講座で資格取得の勉強をしています。
自衛官妻の中には、ネイル、料理、ハンドメイド、ライティングなど、自分のスキルを活かして副業を始める人も増えています。
日中は育児と家事、夜は趣味や副業、というバランスの良い生活が築けます。
夫がいない時間を「自分を育てる時間」として活用できれば、家庭も自分自身も豊かになります。
1-2. 家族あるある図鑑【困った編】
連絡が取れないのが当たり前
海上自衛官の妻として、夫と長期間連絡が取れないことも「普通のこと」として受け入れる必要があります。
艦艇勤務では海上での通信制限があるため、携帯電話やネットが使用できない時間が続きます。連絡が来ないことを不安に思っても、実際には「何もないからこそ連絡がない」という前向きな考え方が大切です!
私の夫が3週間の任務で出港したとき、一切連絡が来ませんでした。
最初の頃は「何かあったのでは…」と不安に押しつぶされそうになりましたが、経験を重ねるごとに「元気だからこそ連絡がない」と前向きに受け止められるようになりました。
逆に、突然の「着いたよ!」という一通のメッセージに涙が出るほど嬉しくなるのです。

海上自衛官と結婚したからには「連絡がない=元気で任務中」と考える心の強さが必要です!
第2章:海上自衛官の夫を尊敬する理由
2-1. 夫の仕事に誇りを感じる瞬間
愚痴をこぼさない夫に尊敬
どんなに厳しい任務でも、愚痴を言わず黙々と職務を全うする夫の姿には、尊敬の念しかありません。
海上自衛官は、国の安全保障という重要な責任を担っており、自分の感情を優先できる場面は少ないのが現実です。
だからこそ、家庭で「弱音」を吐かずに振る舞う姿が、より一層頼もしく見えるのです。
ある台風接近時、夫は出港中で船の中にいました。「大変だったでしょ?」と帰宅後に聞いても、「まあ、いつものことだよ」と笑うだけ。
疲れを見せず、家族を気遣う姿に、私は「この人と結婚して本当によかった」と心から思いました。
愚痴をこぼさない強さと責任感のある姿は、海上自衛官の妻として、誇りを持てる最大の理由です。
第3章:転勤・単身赴任との向き合い方
3-1. 頻繁な転勤とその対応
転勤が多いのは海上自衛官の宿命。
だからこそ柔軟な暮らし方と夫婦の協力体制が大切です。
2~3年ごとに転勤があるため、子どもの学校や自分の仕事に影響が出ることもあります。
しかし、その中で「引っ越し慣れ」する家族の柔軟性や、新天地での出会いを楽しむ姿勢が求められます。
私たちは過去25年間で約10回引っ越しました。転勤のたびに家具は最小限にして、必要な家電はレンタルで済ませるスタイルに。
子どもも「また新しいお友達ができるね!」と前向きになれたのは、夫婦で前向きな姿勢を心がけた結果だと感じています。
転勤は大変でも、家族の絆を深めるチャンスでもあります。柔軟に楽しむ気持ちが大切です。
3-2. 単身赴任という選択
子育てや自分の仕事を考えたとき、単身赴任という選択肢が必要になることもあります。
子どもの進学や妻のキャリア、また実家との距離を考えたとき、あえて夫には単身赴任してもらい、家族が地に足をつけた生活を選ぶ家庭も少なくありません。
私たちは子どもが中学校に上がるタイミングで単身赴任を選びました。
月に一度の帰省でも、オンラインでの連絡やビデオ通話を駆使し、家族の一体感を保つよう工夫しています。
父親がいない日常にも「見守ってくれている」という実感があるだけで、心はつながっています。
単身赴任は家族の絆を試す機会でもあります。離れていても「家族でいる」ことは十分可能です。
第4章:自衛隊婚活と現実のギャップ
4-1. 海上自衛官と結婚するメリットと現実
「頼りがいがある」「安定収入」というイメージと、現実のギャップを理解することが大切です。
多くの女性が「海上自衛官=安心・安定」と思いがちですが、長期不在や連絡の取れなさ、任務優先の生活など、独特のライフスタイルに理解が求められます。
婚活時には「自衛官はしっかりしていて安心」という印象でしたが、実際はデートの約束も直前で変更になったり、記念日も不在ということも珍しくありません。
それでも、家族を大切にする姿勢や、真剣に将来を考えてくれるところに惹かれ、結婚を決意しました。
理想と現実の差を受け入れた上で、自衛官との生活に誇りを持つことが何より大切です。
4-2. 海上自衛官の妻に向いているタイプ
自立心があり、柔軟で、前向きな女性こそが、自衛官の妻に向いています。
孤独や不安を感じやすい環境の中でも、ポジティブに生活を築いていけることが、妻の力になります。待つこと、信じること、そして一人の時間を楽しむことが求められます。
私自身、最初は「寂しい」「不安」とばかり感じていましたが、周囲の自衛官妻たちと交流し、自分のペースで仕事をし、趣味も楽しむことで前向きな気持ちを取り戻しました。
今では「夫の任務を支えるのが自分の役割」と誇りを持って言えます。
自衛官の妻に向いているのは、待てる強さと、自分の人生も楽しめる前向きな人です。
おわりに:海上自衛官の妻として生きるということ
海上自衛官の妻としての生活は、決して楽ではありません。
ですが、その中には確かな絆と誇りがあります。目に見えない支えこそが、任務に就く夫たちの原動力となるのです。
離れていても、心は常にそばに。そんな思いを胸に、今日も前を向いて歩いていきましょう。